TOA-130NSに使用するモノCMOSカメラ考察

 現状TOA-130NSに使用するモノCMOSカメラはQHY294Mで高精細の47Mモード(ピクセルサイズ2.31μ)を予定していました。これは出来れば高精細での撮影を考えて、単にピクセルサイズが小さいのを選んでいます。しかし、画角は4/3になります。現在未使用中のモノCMOSカメラにはAPS-CサイズのQHY268Mがあります。こちらのピクセルサイズは3.76μとなっています。単純サイズ比較でQHY294Mと考えただけです。因みにTOA-130NS+645フラットナーの計算上RMSは中心1ミクロン、周辺30mmで2ミクロンですので、この数値から見てもピクセルサイズ以下となります。
しかし、実際撮影時の事を考えると光学上でのエアリーディスクや実際面で大きく影響する大気のシンチレーション揺らぎがあるので、星像の拡大があるのが実際です。シンチレーションは撮影時の大気の条件によって大きなバラつきがあります。ここでは先ずはシンチレーションは考慮しないで光学理論的な側面でどの程度の星像?になるか検討してみます。

2024/11/21 追記
エアリーディスクについてはWikipediaからの図、及びその呼名の意味は
ーーーーーー 以下Wikipedia(エアリーディスク)から該当部の部分流用です。
エアリーディスクの大きさ
”円形開口から離れた遠視野(ファーフィールド)にできる最小の暗環と光軸との隔たりを円形開口平面と光軸が交わる点から計測した角度”

ーーーーー 以上Wikipediaからの部分流用です
上図から、中心の光輪が星像に相当すると見做して以下評価しています。2番目の光輪は無しで考慮(センサーで写らない程度と見做しています)しています。個人の趣味のお話ですから十分と見ています。これが撮影出来るレベルの装置を使用する場合では、これ以降の話は適用できません。
–追記終わり

 エアリーディスクの角度θ は数式化されています(Wikipedia等)。
  sinθ = 1.22 x ( λ / d )   λ:光の波長、 d:口径
望遠鏡では角度が微小なので、近似的に
  θ = 1.22 x ( λ / d )
と考慮できます。これをカメラ焦点面で考えると、下記の通りで
  θ = X / f       X:撮像面での光源間隔中心からの距離(半径相当) f:焦点距離
 ここでXを求めると
  X = 1.22 x λ x (f/d)  ここでf/d は通常の口径比 F となります。
 従って
  X = 1.22 x λ x F
最終的には波長に依って X が変わります。TOA-130NS+645フラットナーは F:7.6 です。撮影帯域から X には幅が出来ますが、緑色辺りの540nm で考慮します。
  X = 1.22 x (540/1000) x 7.6 -> X : 5μ(TOA-130NS+645フラットナーの場合)
実際には大気のシンチレーションで更に大きく揺らぐことになりますので、最小でも5μ。星像に相当するエアリーディスクでは円形になり角度x2ですので、10μとなります。別件ですが、VSD90SS(F5.5)だと7.25μ。

2024/11/21 追記
 因みにこので最小の暗環部は通常は光量が減衰していって暗環が出来るので、星の像としてはある限度レベルで認識できなくなるので、実際面ではこのサイズより小さい値になると考えています。この投稿以降ではこの部分を便宜的に「有効エアリーディスク」と呼んでいます。このエアリーディスクの強度分布(PSF:点像分布関数とか言うようです。専門で無いので間違っているかも知れません)を敢えて正規分布近似で考慮しています。そこでσ(標準偏差)で捉えて、4σ(99.994%)をエアリーディスクとし、3σ(99.7%)を有効エアリーディスクと考えて私の考えとして提示しています。
‐‐追記終わり

 これから分かることは実撮影の場合、TOA-130NS+645フラットナーの場合、QHY268M(ピクセルサイズ3.76μ)での撮影でも十分となります。大きめのオーバーサンプリングでしょうか?
どの程度のオーバーサンプリングが適切かは自分には分かりませんので、この辺りの評価は出来ませんですね。若しかしたら、Bin2の7.52μサイズの方が良いのかもしれません。アンダーでもなくオーバーでもない感じなので。または撮影はBin2で行い、PixInsightでDrizzle x2を指定すると良いのかもしれません。実際やって見て画像で評価でしょうか?

 以上の考察で、TOA-130NS+645フラットナーでの撮影は、APS-CサイズのQHY268Mでの撮影に切り替える事にします。QHY268Mは購入時に適合する5フィルターCFW+スケアリングアダプターで組んでいたので、当初系の構成に戻して使用です。この構成はタカハシ望遠鏡でのBF56.2をキチンと考慮した構成なので安心です。撮影は、LRGB(Astronomik製)とHα(IDAS製)撮影で行う予定です。

2024/11/21 訂正
 エアリーディスクの大きさに関して、半径なのか直径(星像に相当)なのか、このブログの中でも混在し曖昧性があるので、見直し訂正しました。基本的な意識としてはエアリーディスク径と「径」を付与している時は直径、星像の意識でいます。

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