QHYCCDの最新CMOSカメラ QHY5III678M をNIR(近赤外)撮影用として導入する事としました。
NIR域に感度が有り、モノクロ仕様、小ピクセルセンサー(2.0μm)で且つ比較的センサーサイズが大きい(7.7×4.3mm)点で考慮しました。本当はこのセンサーの冷却仕様が良いのですが、センサーサイズから先ず出ないだろうと考え、非冷却ですが導入を進めております。これまで考えていた非冷却NIRカメラはカラー(Uranus-C,IMX464)ですが、今回のこれはモノクロなので小ピクセルセンサーが有効に使えると考えております。
尚、同様な小ピクセルセンサーでNIR域感度があるものでIMX492モノクロセンサー(Bin1だと2.3μm)を用いた冷却CMOSカメラ(ASI294MM等)もありますが、今回は価格面も考えスキップしています。当面NIR用冷却CMOSカメラは QHY183M(2.4μm)で対応するつもりです。
因みに何故この「NIR、モノクロ、小ピクセルセンサーに拘っているか」ですが、主たる撮影対象が SgrA*近傍だからです。
1)NIR(近赤外)
天の川銀河中心方向は視線方向的に星間塵が多くなり、夕焼けのように赤や赤外域の光の方が通過するので、赤外域が高感度だと星像が得やすいと見ているからです。
確か星間赤化:Interstellar Reddening。因みに、学部4年の観測テーマでしたが、まあ失敗してました。あの頃は光電子倍増管(フォトマル。真空管です)を使うので不安定でした。
電波域の方が最適ですが、今の自分が対応できる範囲では、NIR系が強いCMOSセンサーを導入して使うことでしか出来ませんので。
2)モノクロ
カラーは折角小ピクセルセンサーでも、カラー合成で実質のピクセルサイズが大きくなるからです。
3)小ピクセルセンサー
星と星の分離を細かくするためです。光学系の性能・精度やガイド精度も関係するので厳しい面ではあります。言ってみれば小さい方が良いだろう的な面もあります。ハッキリ言って楽しみでやっているので、意味あるような評価はしておりません。
これでも、結果は上手く行くとは殆ど考えてなく、分かったら(SgrA* 近傍の星が公転している。光跡が出来てる)面白い、嬉しいレベルです(「昔(45年近く前)にヤリタカッタことが出来たー」です)。
コメント