PixInsight MGCの利用

天体写真

 PixInsightのVer9からMGC(Multiscale Gradient Correction)の機能が追加されています。内容の説明は私の誤解も入るかもしれませんので特に致しませんが、ABEやDBEに代わるような機能で撮影エリアに対して実測に沿った背景になるのかなと思っております。これを使えばABE,DBEは使わなくても良いのだろうと思います。
実際使用してみて、ABE、DBEを使わずに結構良い背景になったと思っております。

 使用してみて直ぐに簡単に処理を行うことが出来たかというと、そうでも有りませんでした。
MGCを使用する為には、先ずファイルにSPFC(Spectrophotometric Flux Calibration)情報(タグ情報)が無いといけません。
SPFC:私が間違った解釈で説明するのも良くないので、正確な話はここで説明されていると思います。
また、MGCとMARSに関する説明も参考にすると良いと思います。

これらの中で特にSPFCでは今まであまり見ていなかった”Gray filter”の指定がある点です。Gray filterですが、RGBの他の輝度(luminance)の方を捉えて指定するようです。又、どのようにしていするかですが、どうもRGB等はそのチャネル(R、G、BやL)対応に処理されGrayは扱わないような感じですね。LやRやGのチャネルしか無い画像では当該Filterを処理をするようです

従って、私のようなモノCMOSカメラでLRGB撮影をする場合では、SPFCの適用としては、
i)各LRGBのモノ画像にSPFC処理を行う。4回処理をする事になります。
ii)L画像と合成RGB画像にSPFC処理を行う。2回の処理になります。

ここで、MGCはこれらSPFC情報が付加された画像ファイル(多分リニア画像かと)にMGC処理を行い背景処理を行うようになります。
これらMGC処理をされた合成RGBファイルに色調整としてSPCCを適用すると云った流れとなるようです。全体的な処理としては、
1)各LRGBのモノ画像にSPFC処理を行いSPFC付加された各モノ画像にMGC処理を行う。
  作成されたMGC加工済みのファイルでRGB合成、SPCCで色調整。LとRGB画像をストレッチ
  してLRGB画像作成
2)RGBは合成してRGB画像とし、L画像とRGB画像にSPFCにて情報付加。それら2画像ファイルに
  MGC処理を行う。MGC処理のRGB画像は更にSPCCにて色調整。これらのL、RGB画像を
  ストレッチしてLRGB画像を作成。

1)の処理での結果は

少し青色系

2)の処理での結果は

少し暖色系

色相の関係で色々とあるかも知れませんが、処理の手間を考え2)の方法で進めたいと思います。
今後はABE, DBEは使わずMGC処理にて対応する方向です。

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