N.I.N.Aでフィルターホイール使用時のオートフォーカス

 QHY183M+フィルターホイール(ZWO)で試験的にN.I.N.A.を使って撮影をしてみました。
フィルターホイールにLRGBのフィルターを付けての使用ですが、各フィルター毎にフォーカスが違うという前提で実施しました。N.I.N.A.のオートフォーカスを使いましたがどんな案配でやるのか分からない中でやってみましたが、結果としては以下の手順辺りかと思います。尚、画面キャプチャーは有りませんので誤りや誤記についてはご容赦願います。

1)初めに各フィルターでのオートフォーカスを実施する。
 N.I.N.A.の「オプション;オートフォーカス」にて「フィルターホイールのオフセット値を使用する」を「OFF」にしてから、撮像にて各フィルター毎にオートフォーカスを実行します。これは、基準とするフィルター(LRGBだとLとか)からのオフセットを把握する為、先ずは絶対位置を把握する点にあります。各フィルターの絶対位置から基準となるフィルター(L等)からのオフセットを単純に計算(0、プラス、マイナス)し、その値を「オートフォーカスフルター設定」テーブルのフォーカスオフセットに設定します。

2)フィルターホイールのオフセット値を使用する」を「On」にする。
 「オプション;オートフォーカス」で「フィルターホイールのオフセット値を使用する」をOnに設定します。
「On」にすると「オートフォーカス用フィルターとして..」のボタンが「オートフォーカスフルター設定」テーブルの下に現れます。テーブルの「オートフォーカス時に使用するフィル..」にて、基準にするフィルターのカラムを選択(単にクリック)し、上記ボタンを押下するとチェックが付きます。
フィルターホイールを使っている時に撮像でオートフォーカス(AF)を実行すると、この選択フィルターに切替わりオートフォーカスが実行されます。注意としては撮像でフィルターを別のを選択してもAFを実行するとこの指定に切替わります。(当初分からないで撮像でフィルターを選択してからAF実行してもLの結果なのが疑問だったのですが、これでした)。

3)各フィルターでの撮影ではこのオフセット値でフォーカス位置に移動されます。
 これらを設定した状態で、フィルターホイールでフィルターを選択すると対応したフォーカスに都度移動しています。この時どうも単にオフセット分移動するのでなく、一旦「バックラッシュ補正方法」を使っているようです。私は「オーバーシュート」「バックラッシュ Out側だけ設定」指定ですが、一旦その分外側へフォーカス移動してからオフセット分の位置に戻って調整されているようでした。
当初はこの動きに分からず、「高度なシーケンス」でオーバーシュートを加味したシーケンスを作成しないと駄目なのかと思ったのですが、杞憂のようでした。
 多分高度なシーケンスで温度変化等でオートフォーカスを入れたりすると、この通りフィルターが指定しているフィルターに戻りオートフォーカスを実行すると思われるので、留意点と思います。自分は未だ高度なシーケンスを使いこなせていないので大丈夫ですが・・・

以上、簡単ですがN.I.N.A.でフィルターホイールを使用した場合のオートフォーカスについて記載してみました。

2023/10/15 追記
LRGBフィルターでは「L」と「RGB」では通常でも露出時間が異なる(光量が少ないですから)と考え、「RGB」は「L」の1.5倍程度(どの位が良いか分からないですが)と考えて進めることにしています。そこで「オートフォーカスフィルター設定」テーブルでも「オートフォーカス露出時間」について、フィルター「RGB」については、「L」の1.5倍値で設定しています。「L」は通常設定の4秒にしているので、6秒設定です。
追加追記
単純に各1.5倍と書いてしまいましたが、よく考えると違いますね。CMOSカメラ(QHY183M)の感度グラフを見て考慮しないと全く意味ない展開ですね。訂正しないと。
多分正確にはカメラの特性とファイルの透過特性を加味して、これが光量と相関があれば面積比的に考慮するのが正解なのかも知れません。今回は良くわかりませんが。
何れにしろ、CMOSカメラの特性は赤域にかけてなだらかに右下がりするのが多いですから、GBが一緒でもRはもう少し多目にするのでしょうね。但し、QHY183MはRやNIR域の感度が高い面はあります。単純に極端な見方をすれは、Lが1だとGBで3/5程度でRで2/5 辺りでしょうか?合っているかは疑問ではありますが。これだと、GとBで1.5倍、Rは2倍でしょうか? 次回はこれで試してみようかと思います。

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