最近はナローバンドフィルターでの撮影を進めたりしています。しかし、PixInsightでの処理で出来上がった画像にて何となくムラのような模様が有る点が気になっています。始めはHα等の分布がその様になっているからだろうと考えていました。以前出ていたムラのあるダークフレームを使った際のムラと似たような感じです。
しかし、どう見てもおかしい模様です。そこで気が付いたのは、ナローバンドフィルターのフラット画像です。通常に表示すると以下の画像です。
通常のフラット画像に見えます。しかし、この画像をHαと同じようにストレッチすると下記になります。
馬頭星雲のストレッチ済みHαの画像とストレッチしてフラット画像を見ると、フラット画像のまだら模様と同じようなまだらな感じがHαストレッチ画像にも見て取れます。
尚、このまだら模様はHαとS2のフィルターで顕著に見え、O3ではあまり分かりません。以下がO3フラットのストレッチ画像です。
これまで余り気にせず(ゴミとかの影響も排除出来るので)フラット画像の撮影をしていましたが、このまだら画像は撮影中での画面に表示されますので、状況は分かっていました。しかし、PixInsightの処理でここ迄影響が及ぶのは分かりませんでした。
フラットウィザード画面にてヒストグラム平均ターゲットを変更(多分最大の方へ振れば良いかもしれない)し撮影して見ようかと思います。
尚、このナローバンドフィルターはChromaの3nmフィルターでIDASのHαフィルター(多分6nm位)では分からなかった像です。帯域が狭い程目立ちやすいのかも知れません。
2024/10/23 追記
ヒストグラム平均ターゲットを目一杯の設定100%でも全面明るい画像になるので、フラット補正ようとして意味がないので、当面3nmナローバンド撮影はフラット補正無しで進めることとします。
又、フラット補正無しで撮影した画像は以下の感じです。
尚、撮影はVSD90SS,QHY600M、冷却-15℃、露出:40枚x30秒
2024/10/24 追記
Hαのこのムラの件ですが、S2フィルターも同様の傾向を示しています。下記
よく見るとHαのそれとよく似ています。なんとなくフィルター自体のムラと思ったのですが、O3ではあまり見えていない点とS2とHαは近い波長域(S2:671.6nm、Hα:656.3nm)です。もしかしたら、カメラ側のセンサー固有の現象とも考えられます。
尚、光量をますと多少緩和された感じですが、ムラの感じは同じに発生していました。若しかしたら、QHY600Mでは3nmのナローバンドは厳しいのかも知れません。
又、フラット無しの画像もよく見ると同様のムラがあり、センサー側起因とすると納得する所です。
2024/11/26 表題 ”ラットウィザード”訂正 → ”フラットウイザード”
コメント