昨夜(11/27)、たまたま星像の関係で 恐れ多くも ”ほしぞloveログ” で有名な「Sam」氏に質問を上げてしましました。その延長で私のナローバンド撮影でのムラの関係で、幾つか有難いコメントを頂戴いたしました。やはりフラット補正でムラは分からなくなるとのお話も伺いました。また、ABEの使い方までご教示下さいました。此方が分からず使っているのがモロ分かりとなってしましました。お恥ずかしい限りでした。
さて、助言を頂いた件で色々とまたトライしています。その過程も含め現状の再確認と改善するかどうかを残したいと思います。多分フラットでナローバンド撮影のムラが解決する一つのアプローチとして残ればと思います。しかしおそらく、「フラット画像のムラがLight画像に影響しているのでは」と言ったことを述べているケースはないかもしれません。私の勘違いや操作ミスでキチンとやれば解決という結論になるのが嬉しい(他の方と同一ステージに乗れたと云った意味で)ですね。
1)ABEの何次の件
ここはお恥ずかしいながら良く理解しないでやっているのが分かり、単に何回かABEを繰り返すと、全くの誤解をしていました。懇切丁寧に ”Interpolation and Output” のFunction degree のパラメータでした。こうなるとまた私は嬉しくなります。1次から高次までの近似関数で画像全体の背景を仮想するといった面と理解。結構な機能ですね。
ところで” Target Image Correction” には SubtractionとDivisionがあります。これを操作するのですが、ここでデータ取りと思案です。
まず実データとり。画像はHαで撮影し、フラット補正無しのIC1396 のInteg画像です。
自分としての考えは、背景ムラのタイプで補正の仕方は変わると思います。光害のように明るさの明暗がグラデーション見たいにあるとかは引き算とかと思います。また、今回の対象のようなナローバンド撮影のムラは言ってみれば平面に薄い高低(今の場合光量差みたいな感じ)がまばらに発生しているようなものと捉えています。この場合は、割り算で補正するのが良いのではないだろうかと考えています。従ってDivision側での採用としています。留意していただきたいのはこれは私の考えであり、決まった方法論があれば、そちらの方が正解かと思います。
上記(Divisionを使う)の上で、次数の関係です。これはやはり1次から高次まで(Defaultは4次です)、画面に比較できるよう8次までやってみました。
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本来はどの程度の高次数であれば模様の疑似が可能であるかを検討したりして最適な次元を指定するのがよいのだろうと推測(フーリエ展開な感じ)します。しかし、現状そう云ったアカデミックな思考を進める色々な面がそげ落ちているため簡単に済ませています。しかし、Defaultの4次は本当かといった感じが自分としてはします。処理の速さや精度的にこの辺り(これ以上は通常過剰とか)なのかもしれません。あと、ABEは1次以降はメイン対象は中心にあるといったような面で進めているのかなあ、と感じますが勝手な思い込みかも知れません。中心の周りの暗部がドーナッツ状の感じになる。
ただABE機能の詳細を勘違いしていることにより、間違って理解している可能性もありますので留意してください。
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対象は基本ナローバンド撮影でのムラの現れ方なので、単一Hα Fitsファイル、フラット補正していなでIntegした画像で調べました。これは、フラット補正しない画像でもムラが分かるかどうかを見るためです。
・単一Hα Fitsファイル
上段左端が元Fitsファイル。以下右へ1次から4次まで。下段は5次から8次までです。次元、Division以外はDefaultです。
画像を見た感じでは背景補正用パターンがそのまま表れているだけで補正されていないですね。
・フラット補正無しでIntegしたHα画像でのABE次元ごと処理
左端は
上段:NoFlat補正のHα画像のIntegration像、①像
中段:フラットウィザードでのHαフラット画像。
下段:Hα画像にHαフラット補正してIntegrationしたHα像
右側は、左上から次数、1~4次までの①像のABE画像、画像の下はMask。下段は5次~8次までで同様。
同じ像でSTFのBoosted画像が下記です。
この場合では2~4次レベルがやはり適切画像に思えます。5次以降では画像上段に元画像の明部が強調された感じで現れてきます。Defaultの4もやはりな感じがします。
2)フラットなし画像、ABE4次でナローバンド撮影のムラはどうか?
ここが本題になるのですが、一応ご指摘も受けました4次画像で見比べてみます。
左上:NoFlat Hα像のInteg 右上:左上の4次ABE像
左下:Hαフラット画像 右下:Hαフラット補正した左上と同一対象
すべて標準ストレッチしてあります。
上記の対象を前提とした感じでは右上の画像にフラット画像に現れるムラは無いように見受けます。
この1点だけで無いと言えないので、再度もう少し分かりやすいかもしれない馬頭星雲域を撮影して比較します。
2)他のHα画像での状況
A) Integファイルのストレッチ
北アメリカ星雲域と馬頭星雲域を撮影し、Hαフラット、Lフラット、フラットなしでのIntegファイルの状況を見てみました。
まずは通常のストレッチをした画像です。
左上はHαフラットストレッチ画像、以降右に、Hαフラット補正、Lフラット補正、補正無し
下段の馬頭星雲も左から同様です。
こので気が付くのは、Hαフラットでも北アメリカ星雲域は分かりない感じ。馬頭星雲域では分かるように見えている点です。Hα光の強度の関係しているのかも知れませんが、不明です。
次は上記画像のBoostedストレット画像です。
傾向的には通常ストレッチとあまり相違は無いように私は感じます。
B) IntegファイルにABE4次でDivisionを実施
同一画像です。
やはり傾向的にあまり相違が無いように私は感じます。何となく馬頭星雲域は今回のムラと似たような模様的な感じの写りなので、この辺りの関係しているのかも知れません。北アメリカ星雲域では目立たない点からの想像です。
C)こちらは ABE4次ファイルのBoostedストレッチ
ただ馬頭星雲域のLフラット補正やフラット補正無しではムラは分からないと云った点はあると感じます。
d)ABE4次のファイルと元ファイルのストレッチ画像の比較
若干画像が小さくなります。
上下で、上グループは北アメリカ星雲域、下府ループが馬頭星雲域。
上が元Integファイル。左からHαフラット補正、Lフラット補正、フラット補正無し
下が、ABE4次 Divisionを行った画像です。
3)Hαのムラ
今回は3ヶ所のHα画像を見たのですが、今までもHα画像でムラが目立つとしているのは、馬頭星雲域です。今回の他エリアの画像で見るとムラの写りは微妙です。馬頭星雲域の撮影方向を変えてみるとまた別の情報が得られると思いますが、リモート撮影なのですぐの対応は困難ですので厄介です。角度を変えてそれに沿ってムラが回転していればHαのフラットの要因と考えられますが、回転しないようであれば、寧ろLフラット補正やフラット補正無しが補正していは良くなく、Hαフラットを使うべきとなるのだろうと考えられます。
4)当面の結果
恐らくセンサー自体に感度ムラはあるのでしょうけど、結果としてHαのフラット補正を適用するかは
再度馬頭星雲域を角度を変えて撮影し結果をみて考えたいと思います。次回富士ヶ嶺の行った折に実施です。
尚、当面は、HαフラットとLフラットの両方を撮影してどちらでも補正出来るよう撮影しようと考えています。
2024/12/1 追記
Xにて上の画像の階調が階段状とのご指摘を受けて調べました。結果としてPixInsightでのLUT(Look Up Table)がDefaultの16Bitであるためで、24bit指定とすると滑らかになりました。
単にメニューアイコンを押下するだけです。
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