富士ヶ嶺ドームやはり3台構成に

天体望遠鏡

 一度は4台構成で進めるべく色々と対策を取り進めていました。しかし、撮影画角とか考慮して再検討すると、短焦点系では無駄かと見えるような部分があります。

・TOA-130:FL990mm、フルサイズまで性能良くカバー
 基本拡大系の撮影なので、せいぜいAPS-Cの範囲で考えている。モノでもOSCでも良し。
・VSD90SS:FL495mm、フルサイズまで性能良くカバー
 メイン的に使い、適度な視野角で撮影。フルサイズでの撮影でモノカメラでLRGBやナローバンド撮影。現状ナローバンド撮影ではムラが見えたりして難航中。
上記までは基本的に変わることは無く、これ以下がFLや画角の面で思案の所。

・SQA55:FL264mm、フルサイズカバーだが、APS-Cまでで見た方が安定性能。
 当初2台構成でL用、RGB用の考えでしたが、現状は1台で活用。VSD90SSより広く撮影可能ですがAPS-Cを考えると単純に広いわけではないです。モノでもOSCでも良いのですが、OSCはチップサイズや撮影の仕方に注意が必要。
このFL264mmで考えると、価格は違いますが、最近のタカハシ FCT-65D+FURDが260mmで同じで、性能は上ですね。まあ、更に段違いの価格で見るとVSD70SS+RDも有りますが。
・FMA180 Pro:FL180mm、イメージサークルはフルサイズですが、APS-Cくらいまで若干周辺コマ収差があり、BXT処理が必要な状況です。
 APS-Cでやや広い視野系を考えて導入しています。Hα撮影主体と、以後のLRGBやナローバンド撮影。Hαにてモザイクを行う為、周辺画像に崩れが無い方が良いのですが仕方なし。

 上記4台だったのですが、結局は長焦点系、中焦点系、短焦点系の3台を同架する方が使いやすく適切では、と思い始めました。SQA55でフルサイズ周辺がイマイチな感じで、FMA180Proを導入し混乱した感じと見ております。

機種FL(mm)APS-C撮影画角FULL 画角(度)備考
TOA-130NS +645FLT990長焦点系での利用で
画角は当面考慮外
VSD90SS4954.2 x 2.8フルサイズ固定
SQA552645.1 x 3.47.8 x 5.2フルサイズ悩ましいが
性能は少し悪化
FMA180 Pro1807.5 x 5.0 フルサイズ考慮外
APS-C収差考慮要

ここでもう少し見てみると、悩ましい点があります。尚、RMSは直径にしてあります。

機種FL
(mm)
F値有効airy disc径
(3σ)*1
有効airy disc径
(秒角)
シンチレーション
3秒角
APS-C RMSAPS-C 画角(度)FULL RMSFULL 画角(度)
FMA180 Pro1804.54.4μm5.02.6μm10.6μm7.5 x 5.013.2μm11.4 x 7.6
SQA552644.84.7μm3.86.8μm4.1μm5.1 x 3.47.4μm7.8 x 5.1
参考:FCT65D +FURD2604.03.9μm3.16.7μm3.0μm5.2 x 3.55.0μm7.9 x 5.3
参考:
FSQ-85EDP +QB073
3303.93.9μm2.44.8μm4.0μm4.1 x 2.77.8μm6.2 x 4.2
参考:
VSD90SS
(RMS目測)
4955.55.4μm2.37.2μm5.2μm
HP目測
2.7 x 1.86.5μm
HP目測
4.1 x 2.8
参考:VSD90SS+071RD
(RMS目測)
3513.93.9μm2.35.1μm9.1μm
HP目測
3.9 x 2.67.8μm
HP目測
5.9 x 3.9
参考:
VSD70SS
(RMS目測)
3855.55.4μm2.95.6μm3.7μm
HP目測
3.5 x 2.44.3μm
HP目測
7.5 x5.0
参考:VSD70SS+071RD
(RMS目測)
2733.93.9μm2.94.0μm6.2μm
HP目測
4.9 x 3.38.6μm
HP目測
7.5 x 5.0
参考:
TOA-130NS+645FLT
9907.610.0μm7.515.4μm2.0μm1.4 x 0.93.0μm2.1 x 1.4
*1:エアリーディスク径を正規分布近似で4σとして3σ(99.7%)を有効径と仮称しています

SQA55でフルサイズを適用すればFMA180Pro程度の画角になり、且つ、数値性能は倍良いんですね。ただ、現時点この機の性能に合うフルサイズのCMOSカメラの導入が難しいのでAPS-C限定で評価しています。
これらの事から、SQA55は富士ヶ嶺ドームでの同架から除いて、当面は単独使用扱いにする方向が良いとしました。性能の良い(ピクセルサイズが小さい)フルサイズCMOSカメラが導入出来れば、FMA180Proと交代です。更にこうして見るとFCT-65D+FURDは凄く良いように思います。国内で購入すればレデューサー分だけ高いことになる範囲ですから。フルサイズを考えるとタカハシだなあと感じます。SQA55から入替えを考えても良いくらいです。

 11/243台構成にて赤道儀に搭載完了しました。

3台全てにWandererAstroのフラットジェネレーターライト付き自動開閉蓋を付けていますので、チリの侵入の防止(僅かですが)、フラット画像取得が出来ます。写真では3台とも蓋を開けていますが、実際は撮影する1台のみ開けて撮影します。現状同時に2台以上撮影は行わない積もりです。
因みに、
・TOA-130NSにはPoseidon-C、LPS-D3固定
・VSD90SSには、QHY600M、LRGB、S2、Hα、O3
・FMA180 Proには、QHY268M、Hα固定
でカメラを取付けています。
暫くは、この構成で運用です。SQA55はお休みです。

2024/11/26 追記
 機種毎のAiryDisc等の表にVSD90SSとVSD70SSを追加。尚、VSD機は公式のRMS値情報が無いので、画面にて目測値としています点ご留意願います。

2024/11/27 追記
 機種毎のAiryDisc等の表にFナンバー、VSDのレデューサー情報を追加しました。
現在未だ短焦点系色々と機種を悩んでいます。FSQ-85EDPの自宅観望用途としているのですが、出番がなく此方を移し稼働させた方が良いかと考え始めています。若干赤道儀搭載重量面が気になりますが、ウェイトを考えればと思います。Fナンバー値を入れるとタカハシ機が若干高速機(F値が小さい)なのが分かります。尚、VSDも0.71レデューサーを入れると同じF3.9ですが。

2024/11/28 追記
 機種毎のAiryDisc等の表にTOA-130NS+645FLT情報を追加しました。
このデータを加えるとTOA-130レベル(FLが長い)ではほぼシンチレーションの影響が優位となるので、撮影法を工夫する(ラッキーイメージング等)とかCMOSカメラのチップサイズに拘らず選択も可能と言った側面になると思います。以前の投稿でなるべくチップサイズの小さなカメラに拘っていたのですが、全く意味をなさないでした。使用機器の状況(RMS性能とか)で判断するのでなく、実環境での優位要素を見極めて広い視野で検討すべきと痛感する次第です。TOA-130にはフルサイズは殆ど考えていなかったのですが、チップサイズが大として外していたASI2400MC Proで広大な視野(FL990なのでそれ程では無いですが)と大きなダイナミックレンジでの撮影もありなのでしょう。

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