通常のRGB撮影では殆ど分からないですが、ナローバンド撮影でのHαやSIIの撮影では画面にムラが見えるような場合があります。当初はフィルター側に起因すると思っていたのですが、波長の近いHα、SIIで似たパターンで見えてきます。OIIIのナローバンドフィルターでは見当たりません。因みにナローバンドはクロマ社3nmのナローバンドフィルターです。ムラの感じが一番分かりやすいのがフラット画像で、それをストレッチした画像です。
尚、この現象に関して販売店に問い合わせした際、メーカーよりクロマフィルターナローバンドでは、裏返しして使うと現れると伺いました。ただ私のフィルターホイールでは正常方向だと光漏れがありマスクが必要となり、別途現在適用されれているマスクを入手し、光漏れ解消で再度フラット画像を取得しても現れています。クロマ社のフィルターは裏表関係なく利用できるとはアナウンスされています。裏表の判定法は書いてはないですが、側面にフィルター情報が印刷されているので天地逆転しない向き(上を望遠鏡側)でホイールに取付けています。
尚、フラットフレーム画像は、N.I.N.A.のフラットウィザードで光量40%±10%で露出5秒、光量調整にて取得しております。
IMX492を採用しているCMOSカメラでも似たようにライト画像&フラット画像で発生しており、フラットで補正可能らしいです。私のQHY600M(IMX455)で発生しているのですが、IMX492と同じ現象だとIMX455を採用している他社フルサイズCMOSカメラでも発生しているのかも知れませんね。所有していないので分からないですが。
このムラについては、ライト画像はフラット画像で補正(無くなるのか?)可能らしいです。「らしい」は自分は未だ実現できていないからですが。
しかしこのフルサイズでの現象、国内での情報がないですね。IMX492では有るのですが(補正可能となっています)、フルサイズIMX455では私が行った範囲ではGoogle検索で見つからないでした。おそらく補正できているので話題にならないのかも知れません。
ただ、多くの方のフラット画像は私のようなN.I.N.A.のフラットウィザードではないかも知れませんので違うようになっているのかも知れません。別の言い方をすると、N.I.N.A.のフラットウィザードでのフラットは使わない方が良いのかもと考えてしまいます。ただ上の画像はストレッチ画像ですが、ストレッチしないと平坦な画像ですから、若しかしたら今度は上手く補正出来るのかも知れません。
正常方向にフィルターを取付けて再度Hαナローバンドとフラットフレーム取得で再検証です。
2024/11/19深夜 満月に近い夜空ですが、雲が切れてきたので途中(雲が通過しているのに)ですが、撮影してみました。馬頭星雲とその近傍(M43辺りまで)をHα撮影してフラット補正しました。
露出は30秒、15枚です。
1)馬頭星雲
2)馬頭星雲(ABE処理を入れた画像)
3)馬頭星雲からM43辺りまで(ABE処理しています)。露出30秒、20枚
馬頭星雲を中心にすると周りはムラ模様と似た感じになるので、M43側までの3)を撮影しています。3)の画像を見た感じではフラット補正でムラは完全な感じではないですが無いように見えます。
今回は満月に近い夜空での撮影で現れにくかったのかも知れません。しかし、当面QHY600Mでのナローバンド撮影でのムラは補正できるだろうとして、今後も今までのフィルター構成で撮影を進める事にします。
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