前回の考察では、TOA-130NSでの回折でのエアリーディスクで考慮し、使用モノCMOSカメラをQHY268Mと決めました。しかし、当たり前ですが星像はエアリーディスク内で中心から光量減衰して形成されています(PSF:点像分布関数 Point Spread Function)。従って、星像がオーバーサンプリング状態でも、ある程度減衰した所のピクセルでは露出時間にもよりますが感光(適切な語彙が不明なので此れを使います)しない状態ではと思います。この点像分布関数を正規分布と見做すと所謂±3σ幅で99.7%の光量となります。便宜上この±3σのエリア外は感光が無いレベルと見ると、エアリーディスクを±3σ幅で判断しても良いかもしれません。
甘めの±2σ(95%)でも良いかもしれません。但し、オーバーサンプリング状態での考察です。
因みにTOA-130NSでのエアリーディスク径は、10μでした。
正規分布での±4σ ≒ 99.994% をエアリーディスク径とすると、±3σでは7.5μ 径となります。
上記から有効エアリーディスク径として7.5μで考慮しても良いのかも知れません。又、甘めで有効エアリーディスク径を±2σと見ると5μとも見ることができます。なお正規分布でのFWHM:半値全幅(Full Width Half Maximum)は、約2.35σですので、この場合は2.93μ2.94μmとなります。
2024/11/21 追記
TOA-130NSでのエアリーディスク径±4σ(直径8σ):10μmとしていますので、FWHMとしては、2.35 x σ(1.25μ)= 2.94μm になります。
‐‐ 追記終わり
このように考えると、概ねQHY268M(3.76μ)のBin1のままでも良いようにも考えられます。FWHMを考えると、中心ピクセルと周辺ピクセルに若干の光量が入る感じとおもいます。
以上の点像分布関数と半値全幅の観点から、撮影はBin1のままで良く適切な大きさと考えます。Bin2だとアンダーサンプリング的になり、ホットピクセル的な星像が見られると思われます。ただ実際は大気シンチレーションで星像は増大するとは思います。常にシンチレーションが激しい場合はBin2も有りと思います。
2024/10/8 題修正
2024/11/21 エアリーディスクの半径、直径の勘違いによる数値間違い訂正、説明追加しています。
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